「カーブは投げるな」。WBCで野球の「世界基準」を象徴するドミニカのベテラン
野球解説者・建山義紀が注目する元チームメイト・ベルトレ
ノーステップスローは「世界」レベル
そして守備。
サードベースマンですが、ここでも独特です。捕球をしてからファーストに送球するとき、ノーステップでその動作を行う、そのスローイングには注目です。肩が強いからできることではありますが、彼を見ていて「これこそがアメリカの野球なんだ」と思わされたことをよく覚えています。
打撃でも守備でもオリジナリティがある。日本的な言い方をすれば「型に囚われない選手」であるということです。
「型にこだわり過ぎる」とは日本について言われることですが、こうした選手を見るとその「型」というものを疑う必要もあるのではないか、と再確認させられます。
ゴロは正面で取らなければいけない。逆シングルで投げたほうが早く送球できるだろう。
カーブは上からたたいて打たなければいけない。上から落ちて来る球なんだからすくい上げるように打った方が簡単じゃないか。
ことアメリカに関しては個性を出してこそ活躍できる、と実感させられた選手でした。エイドリアン・ベルトレ。38歳には見えない彼のプレーをぜひ見てもらいたいと思います。
【次回は、生涯ホームラン200本以上もすべて「引っ張り」。アメリカ代表の核弾頭、3月17日更新予定】
- 1
- 2